スペシャルティコーヒーの甘さとは?カップコメントを知って、好みの豆を選んでみよう!
以前、スペシャルティコーヒーの酸味について、カッピングコメントを元に味わいの表現についてまとめてみました。
前回記事の内容に思いのほか好評をいただきましたので、今回は第二弾として【コーヒーの甘さ】に着目してみようと思います!
はじめに
下記リンク内の記事もをご覧いただくと、より楽しんでいただけると思いますので、お時間がありましたらぜひご覧ください。
そもそもブラックコーヒーなのに、甘味を感じるのか?疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
私自身、実際に店頭で働くまでブラックコーヒー=苦味のイメージで、甘いと思ったことがありませんでした。
ですが、〈コーヒー本来の甘さ〉というものは確かにあり、わかり始めると甘さの種類の多さにびっくりした記憶があります。
早速、コーヒーの甘さの表現方法をカッピングコメントを例にしながらみていきましょう!
スペシャルティコーヒーの味を表現する『カッピングコメント』とは
カッピングコメントとは、コーヒーの味わいを別の食べ物や香りに例え、より具体的にイメージしやすくしたものです。
苦味や酸味の強弱だけではわかりずらい、香りや甘さの印象が捉えやすくなるため、自分の好みのコーヒーにどのようなコメントがつきやすいのか把握しておくと、よりコーヒーを選びやすくなると思います。
ブラックコーヒーが甘い?スペシャリティコーヒーの甘さの表現
スペシャルティコーヒーのみならず、コーヒーを扱っているお店で【チョコレートのような甘さ】【はちみつのような甘さ】など、甘味の具体例が記載されている場面が多いと思います。
実際に食べてみても、チョコレートやはちみつは甘さの質が異なりますよね。
カッピングコメントでよく使用される代表的なコメントを詳しくみていきましょう!
カップコメント「チョコレート」
チョコレートという表現は、スペシャルティコーヒーのカッピングコメントで、おそらく一番多く登場する甘さの表現なのではないでしょうか。
フレーバー(香り)としてもしばしば登場しますが、甘さの表現で使われている場合は後味の余韻が長かったり、全体的に味の輪郭がはっきりしているコーヒーに使用されることが多いです。
どちらかというと、ブラックコーヒーの甘さをより強く感じてみたい中級者の方におすすめです。
焙煎度:
中煎り〜深煎りまで幅広く使用される。深煎りになればなるほどビターチョコレートのような仕上がりになりやすい
主な産地:
ブラジル、グアテマラ、エチオピア、ブルンジなど
カップコメント「キャラメル」
キャラメルという表現も、なじみ深いカップコメントです。
チョコレートのような苦味を伴う甘さより、よりミルキーで明るさのある印象があり、飲みやすいタイプの豆が多め。
一緒に書かれているフレーバーや酸味のカップコメントにもよりますが、初めてブラックコーヒーを飲んでみたい方におすすめできる豆が揃っている印象です。
焙煎度:
中煎り〜中深煎りまでに多く使用され、深煎りになるにつれてカラメルソースのような香ばしい甘さに変化していきます。
主な産地:
コロンビア、ホンジュラス、ルワンダなど
カップコメント「ハニー(はちみつ)」
ハニー(はちみつ)という表現は、華やかな甘さに使用されることが多いです。
後味に甘さが長く続きやすいですが、苦味を感じることが少ないのでくどい印象は少なめ。
フレーバーコメントとしてフローラルやスミレ、オレンジブロッサムなど明るい味わいが一緒に記載されることが多いです。
焙煎度:
浅煎り〜中煎り後半と広め。シトラス系の酸味の場合はややシャープな味、アプリコットなどのストーンフルーツ系の酸味だと角が少ない飲みやすい豆が多いです。苦味も酸味も控えめなコーヒーがお好きな方におすすめ。
主な産地:
コスタリカ、ペルー、ボリビアなど
カップコメント「砂糖類(上白糖・ブラウンシュガー・黒糖など)」
ブラウンシュガーなど砂糖類のカップコメントは、精製度が高い上白糖に近づくほど、さらりとした柔らかい甘さになる傾向が強いです。
黒糖やブラウンシュガーは味の個性がはっきりしている豆が多いですが、キャンディーや上白糖ような甘さのあるコーヒーは、上品で飲みやすい豆が多いと思います。
焙煎度:
浅煎り〜中煎り程度に多くみられます。生産地がアフリカのコーヒーはブラウン〜黒糖、中南米はより精製された砂糖の甘味を感じやすいと思います。
主な産地:
ケニア、エチオピア、ブルンジ、ニカラグア、ホンジュラス、ペルー、エルサルバドルなど
カップコメント「フルーツ系(ストロベリー・ピーチ・アプリコットなど)」
ストロベリーなどの表現は、果実特有の甘酸っぱい雰囲気に使われるコメントです。
酸味をクリーンに感じる分、普段からハーブティー(ルイボス・ローズヒップなど)を好まれる方にはおすすめしやすいと思います。
酸味のコメントで、マリック(りんご系)やストーンフルーツなどが記載されている場合、より丸みを帯びた飲みやすいコーヒーに仕上がっていることが多いです。
焙煎度:
浅煎り〜中煎り前半と、比較的浅煎りよりの豆に多いです。
主な産地:
エチオピア、エクアドルなど
おすすめの淹れ方は?甘さの種類ごとに変わるお湯の最適温度
甘い、甘いと繰り返し書いてしましましたが、豆の甘さをいかに取り出せるかは、抽出も重要になってきます。
器具によって引き出せる味わいに異なりはあるものの、湯温に気をつけていただくと、丸みを帯びた甘さのあるコーヒーに仕上がりやすいです。
フルーツ系・ハニー系の甘さ:93℃〜92℃程度
華やかさや軽やかな印象を損なわず、甘酸っぱい雰囲気に仕上げたい時におすすめの湯温です。
ハニー系はフローラルな香りがある豆が多いので、飲みやすさと華やかさが両立できると思います。
砂糖類・キャラメル系の甘さ:92℃〜90℃程度
こっくりしたキャラメルや黒糖のようなの甘さ、または上白糖のような軽やかさを取り出したい時におすすめ。
キャラメルのような甘さの場合、成分を取り出してしまうと苦味を感じやすくなるため、湯温を低めにするとマイルドな印象に仕上がります。
チョコレート系の甘さ:90℃〜87℃程度
低めの温度で抽出することで、苦味を最小限に抑え、チョコレートに似た甘さを取り出せることができます。
深煎りであればあるほど、ビターチョコレートやカカオに似た甘さになるので、粉量と湯温を調節して好みを見つけてみてください。
まとめ
今回は〈スペシャルティコーヒーの甘さ〉に着目し、カップコメントの見方、おすすめの淹れ方についてまとめてみました。
苦味や酸味の強弱だけではなく、甘さの印象にも種類があることをお分かりいただけたかと思います。
ミルクや砂糖を加えても美味しいのはコーヒーのいいところですが、気分を切り替えたい時や、スペシャルティコーヒーの本来の甘さを試してみるなど、味わいの好みに幅があると、よりコーヒーを楽しめるのでおすすめです。
カップコメントだけでは判断しにくい場合もありますので、店頭ではヒアリング、オンラインショップではビーンズナビもご活用ください!
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