コーヒー生豆倉庫見学に行ってきました!!(前編)
はるか海の向こうからやってくるコーヒー豆。今回はコーヒー豆の輸入業者・ワタル株式会社のご協力のもと、横浜の生豆倉庫を見学してきました。
スペシャルティコーヒーの買い付け
以前のエントリー<コーヒー経済学|生豆がお店に届くまで>でも触れた通り、コモディティグレードやストレートコーヒーなどは、NYの先物取引市場にて価格が決められますが、スペシャルティコーヒーの場合は、市場価格はあくまで基準値として、品質次第で価格が決めらます。
”スペシャルティコーヒーは、生産者の顔が見えるかたちで、そこから日本へ届くまでの工程を徹底した管理のもとで行われています。そして、農園と商社などのバイヤー間での取引により、コーヒーの品質に対して相応の価格が支払われています。”
そのため、日本の輸入業者は現地に駐在員をおくなどして、現地のコーヒーの出来具合を近くでチェックしたり、現地の品評会に参加したりして、適切な買い付けができるようにしています。
マイクロロットってなに?
今回取材にご協力いただいたワタル株式会社では、スペシャルティコーヒーになり得る生豆の定義として、『特別な地理的環境が生み出す微小気候(マイクロクライメット)がもたらす、特徴的な風味特性を持った新しいカテゴリーのコーヒー 』と謳っています。
同じ国の同じ農地であっても、細分化することによって標高や土壌に微妙な差が生じます。こうした微小気候によって、出来上がってくるコーヒーも違ったものになります。その中で、魅力のある風味特性を持つコーヒーのことをスペシャルティコーヒーと定義しています。
スペシャルティコーヒーについて興味がある方でしたら、一度は聞いたことのあるマイクロロット(Micro-Lot.)という言葉ですが、通常何十トンというロット(生産単位)で何台ものコンテナで輸入されるコモディティグレードのコーヒー豆に対し、コンテナ1台に満たない量のロットで輸入されるコーヒー豆に使われる言葉です。
コモディティグレードのコーヒー豆は、産地で収穫されたコーヒー豆をすべて混ぜてしまい、まとめて生産処理を行います。そのため、大量に安定した味のコーヒーを作ることは可能ですが、デメリットとして、土壌や気候の違いなどによる風味の差が解りにくくなります。
それに対してスペシャルティコーヒーは、微小気候による銘柄分けのため、個別に丁寧に生産処理がなされ、特徴的な風味特性を残すことを優先します。そもそも農地の細分化により一銘柄の生産量が少なく、さらに手間をかけて生産処理を行なうため、1ロットの量は麻袋数個程度になる場合もあります。
コーヒー豆は船でやってくる
マイクロロットという言葉の意味を理解したところで、いよいよ倉庫見学レポートに入っていきます。
今回案内してくださったのは、ワタル株式会社の松元啓太さん(写真:中)。松元さんは産地駐在員も務めたことがあり、現在も世界中の産地を飛び回っているコーヒーのスペシャリスト。STAR CUPPER の資格を持ち、日本人初のCQI認定Qグレーダーとしても有名なカップテイスターです。
さて、横浜某所。到着し車を降りると、そこは生豆の香り漂う港の倉庫でした。
コーヒー生豆は、30〜40日という長い航海を経て日本に到着します。その間、輸入に関する手続きが輸入業者と輸出業者の間で交わされます。コーヒー生豆の場合、入国後の通関・検疫には約1週間かかるそうです。
我々が見学させていただいた日の朝は、ニカラグアから到着したコンテナを荷下ろしするタイミングでした。
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